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1996 年度 実績報告書

神経栄養因子ミッドカインの中枢神経障害での発現と障害の抑制

研究課題

研究課題/領域番号 07670718
研究機関鹿児島大学

研究代表者

吉田 義弘  鹿児島大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (10107906)

研究分担者 小澤 政之  鹿児島大学, 医学部, 教授 (90136854)
納 光弘  鹿児島大学, 医学部, 教授 (10041435)
キーワードミッドカイン / 神経栄養因子 / 脳梗塞 / 脳虚血けいれん / 胎児脳形成 / アストロサイト / ヘパリン
研究概要

ミッドカイン(Midkine,MK)は、胚性癌腫細胞からレチノイン酸誘導遺伝子として見出された、増殖、分化促進蛋白であるが、神経栄養因子としての作用を持ち、神経細胞脱落、変性を予防し、組織障害からの修復機能をもつ。私達は、ラット脳梗塞周囲にMKが発現していることを既に報告したが、脳梗塞発症2日後では、脳梗塞周囲でglial fibrillary acidic proteinとMKが染色性で完全に一致し、アストロサイトが作成していると考えられた。4日後では、neuropilが強く染色され、免疫電子顕微鏡写真では腫大したアストロサイト突起にMKが発現していた。MK遺伝子の上流にはactivator protein-1(AP-1)結合部位が存在し、AP-1構成成分のC-JUN,C-FOSは、脳梗塞急性期に発現するので、AP-1により発現するのではないかと考えられた。胎児期脳では、脳表在層に神経細胞が遊走するその先端にMKが強く発現しており、最後には辺縁層にのみ発現が残った。マウス脳虚血痙攣で、島回、頭頂葉に発現が認められたが、すぐに大脳皮質分子層(アストロサイト層)のみにしか発現が認められなくなった。辺縁層と分子層とが一致している。これからもアストロサイトがMK合成に関与していることが推定された。C-JUN,C-FOSは、胎児期に発現する転写因子であるので、MKの胎児期発現は、レチノイン酸とともにAP-1にもよるのではないかと考えられた。MKは、ヒト脳梗塞剖検例でも発現していた。ヘパリンを血中に投与する(50単位/KG)と、血中にMKが遊離してくるが、内皮細胞のヘパラン硫酸に結合しており、脳梗塞急性期患者では、遊離MKが増加していた。ヒト脳梗塞でもMKが働いていることが判明したが、脳梗塞発症後7日までしか発現が認められなかったので、尚、持続的に投与していくことを検討すべきである。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Yoshida,Y: "Midkine is present in the early stage of infarct" Dev Brain Res. 85. 25-30 (1995)

  • [文献書誌] Obama H: "Midkine (MK) expression in extraembryonic tissues,amniotic fluid,and cerebrospinal fluid during mouse embryogenesis" J Biochem. 118. 88-93 (1995)

  • [文献書誌] 吉田義弘: "ラット脳梗塞における神経栄養因子ミドカインの発現" 鹿児島脳血管障害研究会会誌. 13. 45-48 (1995)

  • [文献書誌] 吉田義弘: "脳梗塞,脳虚血ラットにおける神経栄養因子ミッドカインの発現〜第2報〜" 鹿児島脳血管障害研究会会誌. 14. 61-64 (1996)

  • [文献書誌] 吉田義弘: "ラット脳梗塞、マウス脳虚血、ラット脳損傷によるミッドカインの発現" Brain Hypoxia. 10. 41-47 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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