研究課題/領域番号 |
07670719
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
有村 公良 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (20159510)
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研究分担者 |
北島 勲 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (50214797)
亀山 正樹 鹿児島大学, 医学部, 教授 (60150059)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | Isaacs症候群 / Kチャネル / 末梢神経興奮性異常 / 筋けいれん / ミオキミア / 自己抗体、 / パッチクランプ法 / 免疫組織染色 |
研究概要 |
研究目的:Isaacs症候群で電位依存性Kチャネル(VDKC)がどのような機序で障害されるかについて、パッチクランプ法を用いた電気生理学的手法で検討し、また分子生物学的手法によりIsaacs症候群ならびにその関連疾患の患者血清中におけるVDKCに対する自己抗体の有無について検討する。 研究成果:今年度はPC12の他にIsaacs症候群患者免疫グロブリンを添加した培養液中で3日間培養したNB1 cellてもwhole-cell clamp法によりVDKCガ抑制されることが確認された。昨年度と同じように外向きK+電流の中で刺激直後に発生するfast K+channelによると考えられるpeak電流の方が、主にslow K+channelによると考えられるsteady state電流よりもより強く抑制され、Isaacs症候群患者血清中の抗体は主にfast K+channelに対する抗体であると考えられた。この事はwestern blotで患者血清が認識する抗原蛋白がfast K+channelのブロッカーであるdendrotoxinとcrosslinkする結果と一致すると考えられた。一方今年度はNB1 cellの電位依存性Na+チャンネル(VDNC)に対する患者血清の効果も検討したが、コントロールと比較してVDNCの抑制、活性亢進等は見られなかった。この事からIsaacs症候群における末梢神経の興奮性異常はVDNCの活性亢進によるものではなく、自己抗体によるVDKCの抑制によることが明らかとなった。一方Isaacs症候群ほど典型的な症状を欠き、myokymiaや軽いmuscle crampのみの患者(IGM)の中にもNB1 cellのVDKCを抑制する抗体の存在が明らかとなった。さらにGuillain-Barre症候郡においてもその発症初期に同様のVDKCに対する自己抗体が産生され、これが発症初期に見られるmyokymiaや異常知覚と関連することを明らかにした。
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