私は、神経ベーチェット病の病態形成の中心を担う好中球の機能過剰が、アポトーシスの異常に伴う好中球自体、あるいは好中球の機能を調節するTリンパ球の機能亢進に基づくと考えている。2年にわたる本研究で、患者由来好中球とリンパ球のアポトーシスの異常の有無を解析する。初年度の平成7年度は、多数のベーチェット病患者を対象とし、そのアポトーシスの程度と機構の違いを健康人との間で比較検討した。 1.アポトーシスの検出。 光学顕微鏡および電子顕微鏡下で、患者由来末梢血好中球およびリンパ球にアポトーシス特有の形態上の変化が見られるかを検討した。また電気泳動上でアポトーシスに特徴的なDNAの断片化を観察した。またApop Tag法によりアポトーシスをin situで検討した。 2.アポトーシスの半定量的検討。 アポトーシスの程度を半定量的に検討するために、対象細胞におけるFas抗原、Bcl-2抗原を、フローサイトメトリー法により検討した。更にアポトーシスによるDNA断片を半定量的に検討するために、アポトーシスに陥った細胞のDNAをフローサイトメトリーにより測定し、アポトーシスの程度と、病型、症状、HLA-B51との関連、治療効果との相関を検討した。 3.アポトーシスの誘導 連鎖球菌関連抗原が、患者好中球やリンパ球のアポトーシスを増強し得るかを検討中である。 当初の研究計画に従い、平成7年度は多数の患者集団を対象とした。研究代表者の所属機関の移動にともない患者数の確保に困難はあるが、ほぼ所期の成果を得つつある。
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