研究概要 |
生後2ヵ月の雄砂ネズミ60匹(若年群)および生後18〜20ヵ月の雄砂ネズミ84匹(老年群)を用いて実験を行った。実験のペントバルビタール麻酔下(40mg/kg腹腔内投与)にて行い、頸部を剥離露出した後に、右頸動脈および左外頸動脈を永久閉塞した。その後動物をケージにて飼育し、1週間後、1ヵ月後または3ヵ月後に4%パラフオルムアルデヒドを用いて潅流固定し,脳を摘出した後に、HE染色を用いて組織学的変化を検討した。頸動脈閉塞後20%の動物が死亡したが、他は無症状であった。組織学的検討では若干群においては1週間後,1カ月後、3ヵ月後のいずれの時期においても明かな変化は見られなかった。老年群においても1ヵ月後には著名な変化は見られなかった。しかし1カ月後には15%の動物、3ヵ月後には20%の動物において神経細胞の変性が認められた。細胞変化は主として大脳皮質の第3層,5層に認められたが,海馬DAI領域にも一部,同様の変化が認められた。
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