研究課題/領域番号 |
07670756
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大野 実 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (00185349)
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研究分担者 |
梅津 道夫 東京大学, 医学部・附属病院, 医員
田口 淳一 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (30236400)
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キーワード | ヘムオキシゲナーゼ / バルーン障害モデル / ラビット高脂血症モデル / ヘミン |
研究概要 |
heme oxygenase 1(以下HO-1)の動脈硬化に与える効果を検討した。ラットにおいてHO-1はヘミン投与により全身で誘導されることが明らかになった。ラット頚動脈バルーン障害モデルにおいてはヘミンの投与は血管内のHO-1のmRNA及び蛋白の発現を高度に増強した。この状態でラット頚動脈の内膜の増殖は高度に抑制された。 HO-1の拮抗薬であるtin-protoporphinの局所投与を行なったところこの抑制硬化は消失した。すなわち障害血管の内膜増殖にHO-1は抑制的に働いていることが明らかになった。また大動脈硬化モデルである家兎高コレステロール食モデルにおいてもヘミンの3日に1回の投与により大動脈硬化巣の高度の減弱をみた。さらに血管内皮由来の弛緩反応を調べたところヘミン投与の大動脈ではコントロール群に比し内皮機能が保たれていた。ヘミンの投与は大動脈のHO-1を上昇させる所見を得た。HO-1の拮抗薬の投与は大動脈硬化を増強した。またヘミンの投与による効果を減弱した。以上より大動脈においてHO-1の誘導は動脈硬化に対して抑制的に働いており、障害血管の内膜増殖にも抑制的に働いていることが明らかになった。以上の所見より内因性HO-1の誘導は生体での重要な抗動脈硬化系でありこのHO-1の誘導のより詳細な血管での役割を調べることが動脈硬化の予防及びPTCA後再狭窄の予防をふくめて重要であると考えられる。今後積極的な遺伝子導入をふくめた検討が必要と考えられる。 上記成果はBBRC及びAthevosclerosisに投稿中である。
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