研究課題/領域番号 |
07670774
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
神谷 香一郎 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (50194973)
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研究分担者 |
外山 淳治 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (20023658)
神部 福司 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (00211871)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | amiodarone / ion channels / heart / antiarrhythmic drugs / thyrid hormone / mRNA / potassium channels |
研究概要 |
本研究では、アミオダロンの長期投与や甲状腺ホルモンのレベル異常が、心筋イオンチャネル特に心筋の再分極相を規定するKチャネルの性質に及ぼす影響を観察し、さらにこのような影響がKチャネル遺伝子の発現の変化から生じているか否かを明らかにする事を目的とする。1、新生児ラット心室筋細胞を用いて、培養経過中のK電流の変化に対するアミオダロンと甲状腺ホルモンの相互作用を検討した。T3存在下アミオダロン1μMを72時間添加すると、ItoとIKがそれぞれ約20%減少した。次に、T3非存在下でアミオダロン1μMを72時間作用させると、アミオダロンのIto及びIKに対する影響が消失した。2.甲状腺機能低下症ラットを作成してthyroxine (T4)を投与し、甲状腺ホルモンレベルとK+チャネルの構成サブユニットであるKv1.4, Kv1.5のmRNA発現との対応について検討した。Kv1.5のmRNAレベルは、甲状腺機能低下群では対照群に比して有意に減少し、甲状腺機能亢進群では投与T4量に依存して増加した。一方Kv1.4mRNAは逆に甲状腺機能低下群で増加し、甲状腺機能亢進群ではいずれの量のT4投与でも有意な影響を示さなかった。以上の結果より、アミオダロンの慢性作用と考えられる心筋K電流(ItoとIK)の抑制作用は甲状腺ホルモン(T3)依存性であることが判明した。生体ではT3は心筋K電流(ItoとIK)を濃度依存性的に増加させ、それに対しアミオダロンがそれぞれ競合的、非競合的に抑制することがこの機序と考えられた。以上の結果により、アミオダロンはT3に対して細胞レベルで拮抗作用を示し、抗甲状腺ホルモン作用により抗不整脈作用をもたらすことが示唆された。
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