研究課題/領域番号 |
07670775
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
本荘 晴朗 名古屋大学, 環境医学研究所, 助手 (70262912)
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研究分担者 |
堀場 勇夫 名城大学, 理工学部, 助教授 (60199560)
外山 淳治 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (20023658)
児玉 逸雄 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (30124720)
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キーワード | 心臓 / 洞房結節 / 細胞自動能 / overdrive suppression / イオンチャネル / 細胞内イオン動態 / 電気生理学 |
研究概要 |
家兎洞房結節から酵素処理法により歩調取り細胞を単離し、whole-cell patch clamp法を用いて活動電位と膜電流を記録した。規則正しい自発興奮を示す細胞に6.7Hzの高頻度刺激を与えると、高頻度刺激中に活動電位振幅および活動電位立ち上がり速度が次第に減少した。30秒間高頻度刺激を加えた後停止すると、一過性の自発興奮の抑制(overdrive suppression)が生じた。膜電位固定下で保持電位-40mVから脱分極パルスを与えて発生させたL型Ca^2+電流(i_<Ca>)は、パルス頻度を1Hzから6.7Hzに増加させると、高頻度パルス第一拍目の減少に加えて高頻度パルス中一拍毎に次第に減少した。パルス頻度を1Hzに戻すと、i_<Ca>は二相性に回復した。保持電位を-40mVとして6.7Hzのパルスを30秒間与えた後、膜電位固定を解除して膜電位変化を記録すると、高頻度刺激停止後とほぼ同様な自発興奮の一過性抑制が観察された。保持電位を-80mVとした場合には、パルス頻度を6.7Hzまで増加させてもi_<Ca>の減少は認められず、高頻度パルス停止後に自発興奮の抑制は生じなかった。i_<Ca>とともに洞房結節細胞のペースメーカー電位の形成に重要な役割を果たしている遅延整流K+電流(i_K)および過分極活性化電流(i_f)の大きさには、高頻度パルス前後で有意の変化は認めなかった。以上の結果から、洞房結節細胞のoverdrive suppressionのイオン機序の一部にL型Ca^2+電流の不活性化が関与していることが示唆された。
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