研究課題/領域番号 |
07670786
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
中屋 豊 徳島大学, 医学部, 教授 (50136222)
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研究分担者 |
NAKAYA Yutaka The University of Tokushima, School of Medicine, Professor (50136222)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | 血管 / 内皮細胞 / 平滑筋 / 一酸化窒素 / 内皮由来弛緩因子 / パッチクランプ |
研究概要 |
培養ブタ血管内皮細胞および血管平滑筋細胞を用い内皮依存性弛緩反応および過分極反応についてパッチクランプ法などを用いて検討した。特に、平滑筋におけるK電流につき検討し、血管の弛緩に重要な2つのKチャネル(ATP感受性KチャネルおよびCa^<2+>感受性Kチャネル)の特性を明らかにし、血管内皮由来弛緩因子(EDRF)および過分極因子(EDHF)の標的チャネルを検索した。また、これらのチャネルは種々の血管作動物質の標的器官でもあり、血管作動物質の作用の一つとしてこれらのチャネルの開閉を調節することにより血管の収縮を制御している。内皮由来の弛緩因子(EDRF)である一酸化窒素(NO)はこの2つのチャネル共に活性化し、血管を拡張していることを明らかにした。その他、もう一つの内皮依存性の弛緩因子である内皮由来過分極因子(EDHF)の本体が何であるかは現在検討中であるが、血管内皮標本を近接しておいた平滑筋細胞のパッチクランプによる検討では、我々はEDHFの標的チャネルを単一電流レベルで初めて明かにした。すなわち、L-ニトロアルギニン、インドメサシンを投与しNOおよびプロスタグランディンを阻害した条件でアセチルコリンは血管平滑筋のCa^<2+>感受性Kチャネルを活性化し、 また、培養内皮細胞を用いて、NOの発生機序を検討し、新しいNO産生経路であるcAMPによるNO産生経路を検討した。ヒスタミンが、従来考えられていたイノシトール3燐酸(IP_3)による細胞内Ca^<2+>の上昇によってNOが産生されるのではなく、cAMPを介した新しい経路によってNOが産生されることを明らかにした。その他多くの血管作動物質(バゾプレッシン、イソプロテレノール)も内皮のCa^<2+>を上昇させることなしに、cAMPを介してNOを産生することも見出した。
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