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1995 年度 実績報告書

心不全の病態において非アドレナリン性非コリン性神経系が果たす抗心不全作用の検討

研究課題

研究課題/領域番号 07670797
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

矢尾板 裕幸  福島県立医科大学, 医学部, 助手 (50264544)

研究分担者 前原 和平  福島県立医科大学, 医学部, 助教授 (90181817)
丸山 幸夫  福島県立医科大学, 医学部, 教授 (90004712)
キーワード心不全 / 自律神経 / 神経ペプチド / カルチトニン遺伝子関連ペプチド / 非アドレナリン性非コリン性神経
研究概要

【目的】 本研究は、非アドレナリン性非コリン性(NANC)神経が梗塞後心不全に及ぼす影響を実験的に検討したものである。【方法】 ラットを用いて、対照液投与群、NANC神経をカプサイシン皮下注により4日間かけて徐々に除神経した群、及び抗神経ペプチド抗体持続静注により急性に神経機能を抑制した群において、左冠動脈の30分間閉塞後再疎通させたモデルでの梗塞後1週間目の心不全の状態を、心臓カテーテル法と心エコー図法により比較検討した。【結果】 1.梗塞後1週間目に評価した心不全は、カプサイシンによる亜急性の除神経後に梗塞を作成した群において、対照液を投与して梗塞を作成した群よりも有意(p<.01)に軽度[左室駆出率(LVEF)の低下が軽度、左室拡張末期圧(LVEDP)の上昇が軽度]だった。前者では、梗塞作成前の血漿中ノルエピネフリン濃度が後者よりも有意(p<.01)に低値だった。そこで、追加実験として、レセルピンを腹腔内に前投与した群において同様の梗塞を作成したところ、NANC除神経群に類似した心不全の軽減がみられた。これらの心不全軽減機序は、梗塞巣の縮小によるものと考えられた。2.NANC神経ペプチドの中で代表的なカルチトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)の機能を、そのレセプターに対する抗体[CGRP(8-37)]を用いて急性に抑制した。冠動脈閉塞後の再疎通直後よりCGRP(8-37)を持続投与したところ、心不全は著名に悪化した。なお、CGRP(8-37)はアドレノメデュリンレプターにも交叉するため、アドレノメデュリンのレセプターに対する抗体も投与したが、それによっては心不全の状態は影響されなかった。【総括】 ラットのNANC神経はCGRP等の神経ペプチドを介して、梗塞後心不全に対して生体防御的に作用していると考えられる。しかし、NANC神経はアドレナリン作動性神経との間に相互作用を有するため、これが神経ペプチドの作用を修飾している可能性がある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 矢尾板裕幸: "心筋梗塞後心不全発症過程における非アドレナリン性非コリン性神経機能の関与" Japanese Circulation Journal. 60(supplI). 104-104 (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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