研究課題/領域番号 |
07670801
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
中居 賢司 岩手医科大学, 医学部, 助教授 (90146035)
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研究分担者 |
宮川 朋久 岩手医科大学, 医学部, 助手 (60254752)
青木 英彦 岩手医科大学, 医学部, 講師 (10212375)
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キーワード | アンギオテンシン変換酵素 / 遺伝子多型 / 冠動脈疾患 / 心室遅延電位 |
研究概要 |
[背景]アンギオテンシン-I変換酵素(ACE)遺伝子多型DD型は、日本人虚血性心疾患でも新たな冠危険因子になりうると報告した(Circulation 1995)。今回、心筋梗塞症205例(平均年齢59歳)と健常コントロール100例(平均年齢56歳)を対象に、心筋梗塞症の予後および心室遅延電位発生におけるACE遺伝子多型の意義について検討した。 [方法]白血球よりDNAを採取し、Polymerase chain reaction (PCR)法でACE遺伝子多型を判定した。加算心電図で心室遅延電位の有無を判定した。また、手紙によるアンケート調査を行った。初回梗塞後の心事件[(再梗塞、心不全、経皮的冠動脈形成術(PTCA)、冠動脈バイパス術(CABG)、心臓死)]とACE遺伝子多型との関連についてKaplan-Meier法で解析した。 [結果]1)心筋梗塞症例のACE遺伝子多型の頻度は、II型53例(26%)、ID型79例(39%)、DD型73例(35%) (I-allele 0.45、D-allele 0.55)であり、健常群に比べD-alleleの頻度が高かった(p<0.05)。2)心室遅延電位陽性例は、ACE遺伝子多型DD型で多かった。3)心臓死の頻度は、II型1例、ID型2例、DD型2例で、ACE遺伝子多型間で差はなかった。Kaplan-Meier法による解析でみると、ACE遺伝子多型DD型では、初回梗塞後の再梗塞・心不全・PTCA・CABGなどの心事件が多い傾向にあった。 [考察]ACE遺伝子多型DD型は、心筋梗塞症の発症と予後に関わる新しい因子となりうると考えられた。
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