平成7年度は、心筋梗塞症患者の準監視型在宅運動療法確立のための基礎的検討として、油圧式足踏み運動負荷装置(ステアークライマ-^<TM>)を用いる足踏み運動が、心拍数と血圧及び酸素摂取量に及ぼす影響を検討した。 その結果、ステアークライマ-^<TM>を用いる運動は、在宅運動療法による効果が期待できる運動強度を与え得るが、通常の平地歩行運動に比べて等尺性運動の要素が加わり、比較的大きな昇圧反応を現わした。この傾向は心筋梗塞症患者でより顕著であった。 そこで、同機の踏力を15、25、30kg重の三段階の可変式にし、オプションで手擦の取り付けも可能とした。また、ペダルの上死点から下死点までの踏力が均等になるよう改善し、踏み込み角度を+25度から-5度から+20度から-10度に変更するとともに、踏み込み距離も5mm短縮して、踏み込みの開始から終了まで安定した足踏み運動を可能とした。これらの改良から、等尺性運動の要素が軽減し、昇圧反応を抑制し得えた。 なお、一層安全で効果的な在宅運動システムを確立するためには、遠隔医療用モニタを併用し、運動療法中の血圧や心電図の監視体制を組合わせることが必要と考えた。
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