研究課題/領域番号 |
07670811
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
藤代 健太郎 東京慈恵会医科大学, 医学部・内科学講座第4, 講師 (90147348)
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研究分担者 |
山崎 さやか 東京慈恵会医科大学, 医学部・内科学講座第4, 助手 (30256458)
和田 高士 東京慈恵会医科大学, 医学部・健康医学科, 講師 (00191825)
古平 国泰 東京慈恵会医科大学, 医学部・内科学講座第4, 助教授 (50056876)
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キーワード | 超音波 / 血流波形 / 脳動脈硬化 / 頸動脈 / 病理組織 |
研究概要 |
方法:[1]総頸動脈血流量を超音波定量的血流量測定装置(QFM)を用い、20から70歳代の健常者の総頸動脈血流量値および血流量波形を計測した。波形の(1)の収縮期第一峰の高さ(A)、(2)収縮期第一峰、第二峰の頂点を結んだ線と基線との傾き(θ)、(3)収縮期第一峰、第二峰の高さの比(A/B)、(4)GoslingのPI値(PI)、(5)収縮期波形の立ち上がり最大変化率(Rmax)、(6)収縮期第一峰の頂点から第二峰の頂点までの平均変化率(C)を求め、加令による変化を検討した。[2]生前に総頸動脈血流量波形を計測し、培検しえた23例46側を対象とした。病理組織では総頸動脈、内頸動脈、外頸動脈、前大脳動脈、中大脳動脈の合計10ケ所の最大狭窄部位を検討した。組織標本上狭窄度は、25%毎に4段階に分類した。狭窄度と上記の各パラメータおよび頸脳動脈系循環抵抗値(平均血圧/血流量:Zo)と脳血管系のコンプライアンスの指標(一心拍の流量変化分/脈圧/平均血流量:dQ/dP/mQ)を求め比較した。 結果:加令変化を良く反映したのは、θ、A/BおよびCであった。培検例において、早期の動脈硬化病変を対象とするため、頸・脳動脈系に50%以上の高度狭窄病変があり血流量低下著明な24側は除外した。硬化性病変部位別に頭蓋内・外型に分類するとA/B、Cとも頭蓋内の病変が多い例で有意に小さかった。頭蓋内の50%狭窄未満の部位数とはC(r=0.60)よりA(r=0.67)がやや良い相関を示した。ZoとはA(r=0.88)が、dQ/dP/mQとはA/BよりC(r=0.74)が良い相関を示した。頭蓋外に50%以上の狭窄病変を有する例を除いた33側では、Aは頭蓋内狭窄病変と良い相関を示した(r=0.68)。 総括:総頸動脈血流量波形のAは末梢の狭窄度の、Cは弾性の指標になると思われた。
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