研究課題/領域番号 |
07670811
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
循環器内科学
|
研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
藤代 健太郎 東京慈恵会医科大学, 臨床検査医学, 講師 (90147348)
|
研究分担者 |
山崎 さやか 東京慈恵会医科大学, 内科学第4, 助手 (30256458)
和田 高士 東京慈恵会医科大学, 健康医学科, 講師 (00191825)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1996
|
キーワード | 脳動脈硬化 / 総頸動脈 / 中大脳動脈 / 超音波 / 血流量 / 血流速度 / 波形 |
研究概要 |
血流波形収縮期第一第二峰比はその計測部位より末梢からの反射波を反映していることが、既に成書"Blood Flow in arteris"に記載されている。今回、総頸動脈血流量波形の加齢による変化を検討すると、20歳代は高い収縮期第一峰、低い第二峰を有するが、30-40歳代で収縮期第一峰が著明に低下し、40-50歳代は第一峰の立ち上がりが減じ、60歳以上では第一第二峰比が低下、更に第一第二峰比が逆転する。この変化は中大脳動脈にも認められ、若年例では総頸動脈波形、中大脳動脈波形とも同様のパターンもしくはやや中大脳動脈の方が末梢からの反射が強いパターンを示すが、高齢になるとその差が著しくなり、総頸動脈波形は50歳代であっても中大脳動脈は70歳代の波形を示すことが判明した。このように総頸動脈波形と、中大脳動脈波形の該当年代の差が開くものほど脳動脈末梢の動脈硬化が強いと考えられ、成書に記載してあることを生体、特に脳動脈系でははじめて確認した結果となった。 病理所見より検討した結果でも第一峰、第二峰間の最大変化率(S)、第一峰の立ち上がり最大変化率(R)および両者の積を平方根したもの(√(R×S))は頭蓋内動脈硬化変化を良く反映すると考えられた。脳血管障害例の総頸動脈波形、中大脳動脈波形の差異を検討すると、健常よりその波形の差異が顕著であると考えられた。即ち各パラメータの年代平均値を求め、各パラメータが何歳に相当するかを判断し、その波形の年令を決め、総頸動脈波形と中大脳動脈波形とを比較することで脳動脈硬化進展の定量評価の方法になりうると考えられた。しかし中大脳動脈波形を良好に記録するためには、今後、計測機器の更なる改良が必要である。
|