研究課題/領域番号 |
07670816
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
脇田 康志 愛知医科大学, 医学部, 講師 (90201152)
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研究分担者 |
米本 貴行 愛知医科大学, 運動療育センター, 助手 (30268023)
水谷 壽孝 愛知医科大学, 医学部, 助手 (90247726)
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キーワード | 再灌流障害 / Na^+-H^+交換系 / アミロライド / 収縮帯壊死 / 単相活動電位 / 再灌流不整脈 |
研究概要 |
体重25〜35kgのブタに対し、ketamineで前麻酔、sodium thiopentobarbitalのvolus静注で麻酔導入後、同剤を持続静注し維持麻酔とし、気切下に呼吸管理した。胸骨正中切開し、左冠動脈前下行枝を第二対角枝直下にて剥離し、冠閉塞用血管テープを通し、それより末梢の虚血部心外膜側にフランツmonophasic action potential(MAP)カテーテルを装着、150/minで心房ペーシングした。対照(C)群(N=7)は30分冠閉塞後180分再灌流を行い、治療(A)群(N=7)は5-(N,N-dimethyl)-amiloride(AML)5μg/kg/minを経静脈的に冠閉塞10分前より投与し、同様の冠閉塞再灌流を行った。実験経過中、血圧、心拍出量、肺動脈圧、MAP、および不整脈出現頻度を記録測定した。実験終了後、冠動脈を再閉塞し左房よりmonastral blue dye(BD)を注入後、心臓を摘出し短軸方向に1cm幅にてスライスしRisk area(RA;BD陰性部)を測定、TTC染色法で梗塞巣(IA)を測定しIA/RAを求めた。(結果)全経過中の血圧、心拍数、肺動脈圧、心拍出量は両群間に有意差はなかった。RAはC群24.5±8.3%、A群29.5±10.4%と有意差はなかったが、IA/RAはC群では59.9±33.2%であったのに対し、A群では0%であった。病理学的検討(PTAH染色)ではC群の梗塞巣は全て収縮帯壊死で占められ凝固壊死は認めなかった。再灌流後の心室性頻拍の総発生回数、総持続時間は、C群で大きい傾向を示したが有意差はなかった。MAP durationは両群共虚血中は短縮したが再灌流後A群はC群に比し有意に早期に回復を示した。以上の結果より、in vivoでAMLは再灌流によると思われる心筋壊死を完全に抑制したが、抗不整脈作用は認められなかった。再灌流障害の発生機序としてNa^+-H^+ exchangeを介するCa^<2+> overloadの関与が示唆された。
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