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1995 年度 実績報告書

老化促進マウスの心臓刺激伝導系におけるアポトーシスに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07670820
研究種目

一般研究(C)

研究機関大阪医科大学

研究代表者

寺崎 文生  大阪医科大学, 医学部, 助手 (20236988)

キーワード老化促進マウス / 心臓刺激伝導系 / アポトーシス / 微細構造
研究概要

【方法】老化促進モデルマウス(SAM)の老化促進系(P1)と正常老化系(R1)を用い、若年群(両系とも8週齢)、寿命末期の老齢群(P1:44週齢、R1:90週齢)を用いた。実体顕微鏡下に房室接合部を切り出しエポン包埋した後、房室伝導系(房室結節、房室束、左脚、右脚)を透過電顕により観察した。
【2】両系とも老齢群において、特殊心筋細胞の変性脱落像が認められた。心筋細胞の変性像は個々に散在性にみられ、細胞内小器官の膨化や細胞膜の断裂を伴うネクローシス様の所見がみられた。さらに、細胞膜や細胞内辺縁の小器官は保たれているが、核クロマチンの辺在凝集、核周囲の筋原線維や中間径フィラメントの融解、細胞質の空腔化、ミトコンドリアの崩壊・萎縮など、細胞内小器官の高度障害を伴う特異的な変性像が観察された。residual bodiesを伴う変性心筋細胞も散見された。また、神経終末にも変性像がみられた。これらの病変部位では、リンパ球などの炎症性細胞浸潤はなく、ときにマクロファージによる変性心筋細胞の貧食が認められた。さらに、両系の老齢群では、間質コラーゲン線維の増殖や心筋細胞間結合(IJ)の解離像が認められた。IJの解離部位にはgap junction構造を含むspherical microparticlesが観察され、ときに片側心筋細胞の変性脱落を認めた。
【考案】SAMの房室伝導系において、特殊心筋の変性脱落が微細構造学的に特異な形態をとり、炎症性細胞浸潤を伴わないことが観察された。この事実から、SAMにおける特殊心筋の細胞死にはネクローシスのみならずアポトーシスあるいは老化に特異的な細胞死のメカニズムの関与が示唆される。また、病態生理学的にこれらの微細構造病変は、加齢にともなう伝導障害の原因となる可能性がある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 下村 裕章: "老化促進モデルマウス(SAM)の心臓刺激伝導系における微細構造病変" 心筋の構造と代謝. 18(予定). (1996)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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