研究課題/領域番号 |
07670823
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
矢田 豊隆 川崎医科大学, 医学部, 助手 (00210279)
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研究分担者 |
後藤 真己 川崎医療短期大学, 医用電子技術科, 助教授 (50148699)
小笠原 康夫 川崎医科大学, 医学部, 講師 (10152365)
辻岡 克彦 川崎医科大学, 医学部, 教授 (30163801)
梶谷 文彦 川崎医科大学, 医学部, 教授 (70029114)
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キーワード | 冠予備能 / 心筋虚血 / 反応性充血 / 心内膜側細動脈 / CCD生体顕微鏡 |
研究概要 |
心内膜側の冠予備が、心外膜側の比べ少ないことについての理由であるが、一つの可能性として、心内膜側と心外膜側との間で血管拡張反応が異なる(心内膜側で冠予備が小さい)ことが想定される。この問いに答えるため、冠予備能の指標となる反応性充血時の心内膜側および心外膜側細動脈の管径変化をニードル側CCD生体顕微鏡を用いて観察した。血管拡張率は心外膜側に比べ心内膜側において、より大きな反応を示していた。つまり、心内膜側が心外膜側に比して冠予備が小さい理由は、単に見かけ上の血管拡張反応の程度の違いによるものではないことがわかる。そこで、ピーク反応性充血時の血管拡張反応を比較的大きな細動脈(>100μm)と比較的小さな細動脈(<100μm)で比較してみると、心内膜側の比較的大きな細動脈の反応が大きい。このことは、反応性充血時に心内膜側血管は、比較的太い細動脈まで動員して一過性の虚血に対応しているものと考えられる。心内膜側予備能が小さい他の理由として、心内膜側の血管拍動性が大きいことが挙げられる。ピーク反応性充血時の血管拍動性(拡張期から収縮期にかけての血管径の変化率)が、心外膜側では、LAD閉塞前と比較してピーク反応性充血時の変化率は、ほとんど変化がなかった。一方、心内膜側では、有意に増大した。すなわち、血管拡張に伴う拍動性の増大は、収縮期に心内膜側への流入血流を減少させるだけでなく、一部、心内膜側から心外膜側と向かう逆流血液量を増大する(Slosh現象の増強)ため、心内膜側にとっては不利となり、心内膜側易虚血性の要因となることが示唆された。
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