研究課題/領域番号 |
07670829
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
松田 尚雄 国立循環器病センター研究所, 循環動態機能部, 室員 (30229489)
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研究分担者 |
宮武 邦夫 国立循環器病センター, 内科心臓部門, 部長
上松 正朗 国立循環器病センター研究所, 循環動態機能部, 室長 (00270728)
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キーワード | 傷害血管 / 血管周囲神経-内皮機能連関 / 15-リポキシゲナーゼ / カルシトニン遺伝子関連ペプチド / substance P / 一酸化窒素 / アドレナリン作動性収縮反応 |
研究概要 |
傷害血管において作動が想定されるオ-タコイドに着目し、内皮機能及び血管周囲神経-内皮機能連関の視点から見た生理・薬理活性を検討すると共に傷害血管モデルを作製し、血管周囲神経刺激時のアドレナリン作動性収縮反応の修飾因子について検討した。 まず、前者について動脈硬化と密接な関連を有するアラキドン酸の15-リポキシゲナーゼ代謝物質である15-ヒドロペルオキシエイコサテトラエン酸(15-HPETE)と、血管周囲自律神経末端に含まれ血管作動性の強い神経ペプチドであるカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)・substance P(SP)に焦点を当てて検討した。その結果、15-HPETEはヒト・モルモット肺・大動脈では用量により内皮依存性弛緩並びに収縮を惹起するのに対してラット及び家兎大動脈では内皮非依存性弛緩並びに収縮を生じることが明らかになった。但し、これらの反応は同時に使用した収縮惹起物質の種類にも影響されることが観察され、15-HPETEの多様な血管作動性が浮き彫りになった。 次いで内皮機能との関連の上から見た、血管平滑筋トーヌス調節における知覚神経ペプチドの役割及びその作用機序をモルモット血管において検討した。前腸間膜動脈ではCGRPが内皮非依存性に弛緩作用を現わすのに対し、後大静脈ではCGRP・SP両者が内皮由来一酸化窒素(NO)を介して同作用を発現することが明らかとなった。 上記の検討に加えて、バルーンカテーテルで傷害したモルモット腸骨動脈を用いて同血管におけるアドレナリン作動性収縮反応に及ぼす修飾因子の検討を行った。傷害2週間後の血管ではNO・CGRP・SPの修飾作用については対照血管と有意の差を認めなかったが、外因性ノルアドレナリンに対する収縮反応性は低濃度域を除いて傷害血管で低下し、ノルアドレナリンに対する脱感作が示唆された。
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