研究課題/領域番号 |
07670831
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
岡 隆治 旭川医科大学, 医学部, 講師 (40113724)
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研究分担者 |
津田 尚也 旭川医科大学, 医学部, 医員
梶野 真弓 旭川医科大学, 医学部, 医員
梶野 浩樹 旭川医科大学, 医学部, 医員
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キーワード | 近赤外光 / 先天性心疾患 / 脳血行動態 |
研究概要 |
近赤外線を利用した非観血的脳内酸素飽和度測定装置を用いて心臓カテーテル検査時や体外循環時のモニタリングを施行しその有用性について検討した。 対象と方法:患者計32例を次の3群に分けて検討した。 I群:非チアノ-ゼ型心疾患、川崎病、心電図異常などの症例18例、平均年齢6歳10か月、平均体重23.8kg。II群:チアノ-ゼ型心疾患を有する症例8例、平均年齢6.6か月、平均体重8.3kg。III群:体外循環施行例6例。 脳内局所酸素飽和度(以下rSO2と略す)の測定はSomanetics INVOS 3100型・脳内酸素飽和度測定装置を使用した。右前額部にセンサーを固定し連続的に測定した。 結果:(1)rSO2と年齢との関係:非チアノ-ゼ型心疾患患者18人について検討すると、rSO2と年齢との間には有意の相関を認めなかった。 (2)rSO2と左右の関係:左右の値に良好な相関を認めた。 (3)チアノ-ゼ型心疾患と非チアノ-ゼ型心疾患での測定結果では、非チアノ-ゼ型心疾患では有意に高値を示した。患者によってはrSO2が65%未満と低値を示す患者例がありこのような患者では心臓カテーテル検査終了後に頭痛や悪心、嘔吐を訴える症例が多かった。(4)rSO2と上大静脈酸素飽和度(SsvcO2)および内頸静脈酸素飽和度(SjO2)との関係では、rSO2とSsvcO2の間には有意の相関がなかったが、SjO2との間には相関を認めた。(5)先天性心奇形の心内修復術のために人工心肺下で手術を施行された6例について手術中にrSO2のモニタリングを施工した。多くの患者では人工心肺開始とともにrSO2は上昇し、大動脈遮断にて緩徐に低下する傾向を示した。大動脈遮断解除後は再び上昇傾向を認めた。 近赤外線を利用した非観血的脳内酸素飽和度測定装置は、使用操作が簡単で、即座に使用することが可能である。血行動態の変化に迅速に反応し局所の脳内酸素飽和度を表示するため、今後脳に関係したモニタリング装置としての利用価値が高いと考えられた。
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