【目的】再生不良性貧血の造血幹細胞におけるサイトカインレセプターや表面形質の検討は、その病態や臨床効果の予知などに大きく寄与するものと考えられている。従来、こうした検討は主にFlow Cytometer(FCM)を用いて行われてきた。しかし、これらの疾患では、必要な数の造血幹細胞を得ることは技術的に困難なことから事実上不可能であった。今回、われわれはレーザー共焦点顕微鏡(LCM)によりFCMと同等の細胞表面マーカーの解析が可能か否かを検討した。 【方法】GM-CPS依存性細胞株(HML)をGM-CPSまたはTPO存在下で培養した。培養後CD41b、CD42b、CD33、HLA-DRをマウスモノクローナル抗体で標識し、FCMにはFITC標識の、LCMにはBodipy標識のヤギ抗マウス2次抗体を反応させた後、固定した。LCM用検体はさらに7-AADで核を染色した後、サイトスピン標本を作製し、FCMとLCMで細胞表面形質を比較検討した。 【結果と考案】LCMにより得られたTPO依存性細胞表面マーカー発現の変化はFCMとほぼ同様であった。以上よりLCMは細胞数の少ない検体でも解析が可能と考えられた。
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