1.ホルムアルデヒド曝露がラットの気道に引き起こす血管透過性亢進の機序を検討し、神経ペプチドがこれに関与すること、また、肥満細胞からの遊離メディエーター及びブラジキニンの関与がないことを証明した。 2.ホルムアルデヒド曝露1-16時間後に好中球が気道内腔に浸潤し、ホルムアルデヒド及びサブスタンスPに対する気道反応(血管透過性亢進)が増強することを見出だした。しかし、アレルギー吸入による気道反応には変化がみられなかった。 3.ホルムアルデヒド曝露後の気道の病理組織学的変化を分析し、軽度ながら広範な気道上皮剥離を認めた。 4.ホルムアルデヒド曝露後のIgE抗体産生に及ぼす影響については現在検討中である。 5.ホルムアルデヒド曝露の知覚神経機能に及ぼす影響をカプサイシンを用いて調べたが、ホルムアルデヒド曝露が知覚神経からの神経ペプチドの遊離を障害することがわかった。
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