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1996 年度 実績報告書

小児腎疾患の病態におけるmetalloproteinaseの役割

研究課題

研究課題/領域番号 07670862
研究機関大阪大学

研究代表者

島 雅昭  大阪大学, 医学部, 助手 (10252660)

研究分担者 山本 威久  大阪大学, 医学部, 助手 (30231674)
山岡 完次  大阪大学, 医学部, 助手 (60144490)
キーワード慢性腎炎 / matrix metalloproteinase / マトリックス
研究概要

【はじめに】
MMPは、Zn,Caを補酵素とする蛋白分解酵素であり、メサンギウム細胞の培養上清中に存在し、基底膜の主成分であるtype4コラーゲン、type5、type7コラーゲンやゼラチン等を分解する活性を有し、糸球体内のマトリックスや基底膜の代謝に関与すると考えられている。近年、動物実験において腎疾患にMMPが関与することが報告された。しかしながら、腎炎の発症や増悪とMMPの関係について臨床的に検討した報告は少ない。今回、腎炎の発症もしくは増悪の時期において、MMPの果たす役割を臨床的に検討した。
【材料と方法】
腎生検で得られた組織から糸球体を採取し、得られた糸球体を96穴マルチウェルに移し無血清状態で48時間培養した後、MMP活性を検討した。さらに、尿のMMP活性を検討し、組織病変との関連性ついても検討した。
【結果】
1.慢性腎炎患者の尿中に、MMP-9と考えられる分子量92Kのバンドを認めた。
2.腎炎患者の糸球体培養上清においてMMP-9活性を認めた。
3.免疫沈降法により、92Kのゼラチン分解活性はMMP-9であることが確認された。
4.巣状変化群ではzymogram法でMMP活性を認めなかったが、びまん性変化群では8例中7例にMMP-9活性が認めた。
5.慢性腎炎患者の病勢と尿中MMP-9量は平行し、急性期では高値を示し、寛解期で減少した。
【考察】
小児慢性腎疾患患者の糸球体培養上清および尿においてMMP-9を認め、また病態と平行して推移したことは、病態を解析する上で貴重な結果であると考えられた。MMP-9は、糸球体に浸潤してきた好中球かマクロファージ、糸球体上皮細胞、メサンギウム細胞により産生された可能性がある。今後小児慢性腎炎患者においてMMP-9の由来する細胞を検討し、病態について解析したい。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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