平成7年度においては、脳波連続性の自動判定と脳波ア-ティファクト部分の除外、既知の睡眠段階における呼吸波形の減衰時間の分布を検討し、眼球運動検出にためのpiezo-crystal transducerを作成した。 1.脳波の連続性の自動定量化 周生期脳障害のない、受胎後25週から33週の早期産児15人の24時間連続脳波記録を対象として、脳波連続性の定量化を検討した。自動定量された脳波連続性は0〜100%に分布して、視察的判読に一致するものであり、受胎後週数に伴う脳波連続性の増加が定量表示できた。さらに、体動や基線動揺などによるア-ティファクト除外の方法として、脳波トータルパワーを算出して検討した。ア-ティファクトが既知の3時間記録における脳波TP(logμV^2)を求めた。TPは1.8〜3.25に分布して、ア-ティファクト部分のそれは2.5以上であり、非ア-ティファクト部分と重複があった。 2.呼吸規則性の自動定量化 各睡眠段階における呼吸波形の減衰時間(DT)の分布を検討する為、睡眠段階が既知の3時間分のポリグラフ脳波記録を検討した。対象は人工呼吸器を装着していない受胎後30週2人、32週2人であった。呼吸波形を自己回帰モデルに当てはめ、DTを求めた。既知の睡眠段階とDTの関係から、(1)1区間の長さとしては30秒間が上限である。(2)静睡眠のDTは0.3〜10秒、動睡眠・不定睡眠は4.0秒未満であった。以上が示された。 3.眼球運動 piezo-crystal tranducerを作成した。従来の眼球運動検出に比し、電気的な脳波の干渉を受けることがなく波形認識法による眼球運動の自動検出が可能であった。
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