研究課題/領域番号 |
07670889
|
研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
一色 玄 大阪市立大学, 医学部, 教授 (80046995)
|
研究分担者 |
岡野 善行 大阪市立大学, 医学部, 講師 (60231213)
田中 あけみ 大阪市立大学, 医学部, 講師 (30145776)
|
キーワード | ガラクトース血症 / ガラクトキナーゼ / ガラクトース-1ーリン酸ウリジルトランスフェラーゼ / 遺伝子変異 / 遺伝子発現 / 先天性代謝異常症 |
研究概要 |
1)ガラクトース血症I型(GALT欠損症) 変成ゲル濃度勾配電気泳動法(DGGE)を用い、患者11家系でこれまで報告されていない新しい13の遺伝子変異を同定し、遺伝子変異の解析率を90%以上とすることができた。その中で、軽症型であるDuarte異型の分子遺伝学的特徴は白人種と同様にN314D変異であり、また、RFLP解析でSac1(-)を示すことから、日本人種と白人種で同一の起源すなわち極めて古い時代に発生したと考えられる。一方、古典型のGALT遺伝子変異は日本人固有の遺伝子変異であり、比較的新しい時期に発生したと推測される。これまでに同定した遺伝子変異のCOS細胞を用いた変異蛋白発現試験の結果では1から35%の種々の活性を得ることができた。進行する精神運動発達遅滞と卵巣機能不全を主症状とする後期症状の発症はこの遺伝子変異より求められたin vitro GALT活性の残存活性の程度により推測され得た。今後、臨床表現型と遺伝子型の相関、その異常酵素蛋白の特徴を明らかにする。 2)ガラクトース血症II型(GALK欠損症) 患者7家系における遺伝子変異の検索結果では、5つの新しい変異、すなわち、3つのミスセンス変異と2つの欠失変異を同定した。これらの遺伝子変異は白人種では発見されていない。また、これまでGALK欠損症患者では世界的に詳しい報告がなされていない異型について、我々は、日本人家系に共通する異型『Osaka』の変異を確認しており、その分子遺伝学的解析と酵素免疫学的な解析を行なっている。
|