研究課題/領域番号 |
07670898
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
加古 結子 昭和大学, 医学部, 助手 (50281704)
|
研究分担者 |
曽我 恭司 昭和大学, 医学部, 助手 (70296979)
常見 享久 昭和大学, 医学部, 助手 (10255755)
|
キーワード | カイロミクロン / 過酸化脂質 / hydroperoxide |
研究概要 |
(1)ラット腸管における過酸化脂質吸収について 腸管における過酸化脂質の吸収をみるために、2時間光酸化を行った大豆油を腸管膜リンパ漏ラットに投与した。投与開始後、1時間毎にリンパカイロミクロンを採取し、TG-OOHを抽出した後、化学発光高速液体クロマトグラフィーにて測定した。その結果、投与後8時間にわたり、リンパカイロミクロン中のTG-OOHを測定したが、いずれも検出限界以下であった。以上のことより、ラット腸管においては、腸管腔内での抗酸化防御系でhydroperoxideは除去されるか、あるいは粘膜細胞へは吸収されない可能性が考えられた。 (2)ラットリンパ液中の抗酸化防御系 次にラットリンパ液中では酸化作用に対し、どのような防御系を持つのかについて、in vitroの実験を行った。新鮮な腸管膜リンパ液に最終濃度が10mMとなるようにAAPHを添加し、37℃でincubationし、抗酸化物質とTG-OOHの変化を経時的に測定した。その結果、抗酸化物質ではアスコルビン酸が急速に、ついでCoQ_<10>が消費され、尿酸、α-トコフェロールの順に消費されていった。30分後にアスコルビン酸とCoQ_<10>はそれぞれもとの量の20%と30%まで低下し、CoQ_<10>を切った頃より、TG-OOHが産生されはじめた。以上より、リンパ液中ではカイロミクロンは容易に酸化されにくい状態で存在することが判明した。
|