研究課題/領域番号 |
07670901
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
矢部 みはる 東海大学, 医学部, 講師 (40172514)
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研究分担者 |
矢部 普正 東海大学, 医学部, 講師 (70220217)
加藤 俊一 東海大学, 医学部, 助教授 (70096212)
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キーワード | 臍帯血移植 / リンパ球サブセット / 急性GVHD |
研究概要 |
1.臍帯血中のリンパ球サブセットをフローサイトメトリーで解析し、以下の結果を得た。CD3陽性T細胞のほとんどは_γδ-T cell receptorの発現しておらず、CD4陽性細胞の比率はCD8陽性細胞を上回って、CD4陽性細胞の大部分はCD4+/CD45RA+のナイーブT細胞であった。HLA-DR陽性T細胞はほとんど認めなかった。NK細胞に関してはCD57抗原は全く認めず、CD16+CD56+細胞が大部分を占め、健康成人の末梢血に比較して有意に高値であった。以上より臍帯血は骨髄に比べ、免疫的には移植に適している可能性が示唆された。 2.HLA一致の同胞より臍帯血移植を行った2例の患児の免疫学的回復を検討した。第1例目は急性骨髄性白血病の患児で同種骨髄移植に比し、早期よりCD4陽性細胞の極めて急速な回復を認め、その半数がCD45RA+/HLA-DR+であった。CD8、CD16陽性細胞の回復は緩徐であり、GVHD予防を全く行わなかったにもかかわらず、急性GVHDはgrade 0であった。第2例目は赤芽球癆の患児で、GVHDの予防はシクロスポリンのみで行った。輸注されたリンパ球のサブセットは第1例目とほとんど同じであったが、回復パターンは異なり、CD8陽性細胞が優位であり、CD4+/CD45RA+細胞の回復は遷延した。CD16陽性細胞の回復は同様に緩徐であり、急性GVHDもgrade 0であった。以上より臍帯血リンパ球が免疫的寛容を獲得しやすいことが示唆された。
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