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1996 年度 実績報告書

小児神経系腫瘍の発症機序ならびに治療法に関する実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 07670904
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

松島 宏  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70190460)

研究分担者 浜野 晋一郎  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (80208595)
中江 陽一郎  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (40188876)
前川 喜平  東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (80056613)
キーワード小児神経腫瘍 / 神経栄養因子 / 神経栄養因子受容体 / 遺伝子導入 / 遺伝子治療
研究概要

研究目的:未分化神経系細胞から構成される小児神経系腫瘍は小児固形腫瘍中、最も頻度が高く、かつ予後不良の疾患である。一方、神経成長因子(以下NGFと略す)および、その受容体(NGFR)から成るシグナル伝達系は神経細胞の分化・成長に重要な役割を果たす。本研究はNGF/NGFRカスケードを用いた小児神経系腫瘍の新たなる分化誘導療法の開発を目的とする。具体的には、1.NGF受容体cDNAを小児神経芽細胞腫株内にin vitroで導入し、得られたトランスフェクタントにつき、NGFに対する生物学的応答性を検討する。2.得られたトランスフェクタントをヌードマウスの皮下あるいは脳内に移植する。このマウスにNGFを全身投与した際、in vivoにおいて移植腫瘍が分化誘導・増殖抑制されるか否かを検討する。
研究結果:NGF受容体(trkA) cDNAトランスフェクタントはin vitroにおいてNGF投与に反応し、immediate early responceとしてのEgr-1遺伝子の一過性の発現上昇と、lete-responceとしてのDNA合成の停止を伴う最終分化を示した。さらに、NGFR導入神経系腫瘍株をヌードマウスの側腹部皮下に移植。移植後、ヌードマウスにNGF(50μg,5日間:計250μg)を全身的に投与し、移植腫瘍の形態学的変化と増殖度を観察したところ、腫瘍の形態学的分化と増殖抑制が認められた。以上のことから、人為的に構築されたNGF/NGFRカスケードはin vitroとin vivoの両者において、未分化神経細胞を最終分化へと誘導できることを確認した。このことは、同カスケードを用いた神経系腫瘍への遺伝子治療の可能性を意味すると同時に、神経系腫瘍の発生にNGF/NGFRカスケードの異常が関与する事を示唆する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 松島宏: "神経細胞への遺伝子導入" 小児科臨床. 49. 2617-2624 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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