研究課題/領域番号 |
07670908
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
池谷 紀代子 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (70151313)
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研究分担者 |
小峯 聡 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (30225578)
斎藤 加代子 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (90138834)
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キーワード | 肢帯型筋ジストロフィー / 免疫組織染色 / サルコグリカン |
研究概要 |
われわれは、前年度までに、肢帯型筋ジストロフィーと診断された患者の骨格筋の細胞構成蛋白の特徴を明らかにするために、肢帯型筋ジストロフィー以外の筋ジストロフィーや先天性ミオパチー、ミトコンドリアミオパチーなどと診断されている神経筋疾患例の生検骨格筋について、主として免疫組織染色により比較検討してきた。昨年度まで用いてきたジストロフィン、ジストロフィン結合蛋白2種(α-サルコグリカン、β-ジストログリカン)、ジストロフィン関連蛋白(ユートロフィン)、メロシン、スペクトリン、コラーゲンIVの抗体に加えて、本年度は新しくジストロフィン結合蛋白γ-サルコグリカンの抗体も入手して、検討を開始した。現在までの結果では、γ-サルコグリカンによる骨格筋細胞膜の染色性は、α-サルコグリカンによる染色性とほぼ一致している。 同時に、肢帯型筋ジストロフィー例のサルコグリカン遺伝子の検討を開始した。サルコグリカンは現在までにα、β、γ、δの4種について、遺伝子および蛋白構造が明らかにされており、肢帯型筋ジストロフィー例におけるそれらの異常が報告されている。中でも、α-サルコグリカン遺伝子exon 3のArg(77)Cysのone point mutationの頻度が比較的高いとされている。そこでわれわれは、末梢血リンパ球DNAのPCRを行い、産物に制限酵素NlaIVを作用させてその反応性を見ることで、このone point mutationの有無を検討した。コントロール10例において、このmutationは認められなかった。肢帯型筋ジストロフィー10例について1例はこのmutationのhomozygoteであり、その母親はheterozygoteであることが明らかとなった。しかし、昨年度の検討で、免疫組織染色で細胞膜が抗α-サルコグリカン抗体で染色されなかった肢帯型筋ジストロフィー例には、このmutationは認められず、なお詳細に検討を続けていく予定である。
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