研究課題/領域番号 |
07670908
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
池谷 紀代子 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (70151313)
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研究分担者 |
小峯 聡 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (30225578)
斎藤 加代子 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (90138834)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | 肢帯型筋ジストロフィー / サリコグリカノパチー / α-サルコグリカン / 免疫組織染色 / PCR |
研究概要 |
我々は、232例の神経筋疾患を検討し、うち122例の筋ジストロフィー例を認めた。その内訳は、Duchenne型55例、Duchenne型保因者4例、Becker型18例、先天型25例、顔面肩甲上腕型7例、肢帯型9例であった。dystrophin免疫組織染色によって、Duchenne型、Duchenne型保因者、Becher型が確実に診断された。9例の臨床的に診断された肢帯型筋ジストロフィーのうち、生検筋が得られた8例について、α-sarcoglycan染色をおこない、1例は陰性であった。 α-sarcoglycan遺伝子変異は、肢帯型筋ジストロフィー9例と、その1例の無症状の家族2名の計11人について検討した。変異のhot spotであるexon3の中にPCRのプライマーを作製し、産物を制限酵素Nla IVで処理することで変異の有無を調べた。生検筋が得られず、免疫組織染色ができなかった1例に変異をみとめ、direct sequencingによりヌクレオチド229のC→T変異を確認した。患者はこの変異のホモ接合体であり、母親は、この変異とwild typeとのヘテロ接合体であった。α-sarcoglycan染色で細胞膜がまったく染色されなかった例には、この部位の変異はみとめられなかった。 以上の結果より、筋ジストロフィー122例中、肢帯型筋ジストロフィーは9例で、うち2例をサルコグリカノパチーと、さらにその1例は、α-サルコグリカノパチーと診断できた。サルコグリカノパチー2例の特徴的臨床像として、乳児期の発達が正常で、発症後はDuchenne型に類似の急速な筋力低下を示すが、知能障害がないこと、顔面筋罹患が非常に軽度であること、筋痛の訴えが強いこと、また、頸部では、伸筋に比べて屈筋がより侵されていることがあげられる。
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