研究概要 |
重症筋無力症(Myasthenia gravis, MG)が抗acetylcholine receptor(AChR)自己抗体により発症する自己免疫疾患と考えられている。HLA-classII分子は、抗原ペプチドレセプターとして抗原特異的免疫応答の引き金としての作用が考えられる。小児期発症MG患者のHLAタイプを分子レベルで分析することによってAChR抗原の結合部位との関係について分析し、小児期発症MG患者の発症機構の解析を行った。小児期発症MG患者68名の末梢血静脈血から分離した単核球からのgenomicDNAを用い、polymerase chain reaction(PCR)-sequence specific oligonucleotide(SSO)法を用いたHLA-DRおよびDQのタイピングを実施した。6歳未満発症小児MG患者においてDRB1鎖においてDRB1^*0901およびDRB1^*1302頻度の有意な増加を認めた。また、一方3歳未満の発症小児MG患者においてDRB1^*0901頻度の有意な増加を認めた。また、一方3歳未満発症小児MG患者においてDRB1^*0901の有意な増加を認めた。DRB1^*0901の各hypervariable region(HVR)のSSO_<1009,SSO>2804,SSO_<3707,SSO>5709あるいはSSO7009のrelative risk score(RR)は各々35.6,35.6,35.6,22.4あるいは20.4を示した。DRB1^*0901分子のNH2基側HVR領域でのRR値の亢進が認められた。DRB1^*0901分子アミノ酸配列のNH2基側での特異性は高いことが認められた。また、一方DRB1^*1302頻度も有意な増加を認めたが、DRB1^*1302分子アミノ酸配列のNH2基側での特異性は低い。これらのことは、3歳未満発症MG患者においてDRB1^*0901分子がAChR抗原レセプターとして作用しすると考えられた。また、AChR抗原分子のアミノ酸配列から17塩基合成ペプチドを作製これらのペプチドを用いMG患者からAChR抗原特異的T細胞のクローン化を試み、5AChR抗原特異的T細胞クローンを確立その性状の解析を開始した。
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