研究課題/領域番号 |
07670914
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
伊藤 保彦 日本医科大学, 医学部, 助手 (40203179)
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研究分担者 |
浜田 久光 日本医科大学, 医学部, 助手 (20267199)
五十嵐 徹 日本医科大学, 医学部, 助手 (30232151)
継 仁 日本医科大学, 医学部, 助手 (20271348)
福永 慶隆 日本医科大学, 医学部, 助教授 (50097036)
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キーワード | 抗核抗体 / 慢性疲労症候群 / 膠原病 |
研究概要 |
これまでの検討の結果、以下のような成績を得た。 1)日本医科大学付属千葉北総病院小児科外来においてprospectiveに行った調査では、明らかな基礎疾患を持たない不定愁訴患児140名のうち74名(52.4%)が抗核抗体陽性であり、健常対照群82名中わずか5名が陽性であったのに対して明らかに高率であった(P<0.0001)。 2)抗核抗体陽性患児の主訴としては疲労と微熱が多く、消化器症状や起立性調節障害などの訴えは陰性患児に多かった。従って抗核抗体陽性で疲労を訴える患児について“自己免疫性疲労症候群"という疾患概念を提唱したいと考える。 3)抗Sa抗体は抗核抗体陽性患児の41.3%に認められ、抗Sa抗体陽性者は陰性者と比べて抗核抗体160x以上の高力価のものが多く、また抗核抗体の蛍光パターンでも1名を除いて全員homogeneous & speckledであるという特性があった。 4)抗Sa抗体およびSa抗原の分析としては以下のような性質が明らかになった。 a)抗Sa抗体は少くともウシ胸腺抽出液では反応が見られないため、ヒト抗原に特異的である可能性が高い。 b)HeLa,Molt 4、ヒト末梢血単核球いずれを抗原としても62kDのバンドは検出されるため、Sa抗原はヒトにおいては臓器特異性に乏しく、広分布している蛋白と考えられる。 c)RNA-immunoprecipitation法ではSa抗原に付随して沈降されるRNAは見当らない。 以上の様な知見をふまえ、今后再に検討を続けていく計画である。また96年度日本リウマチ学会において以上の成果を発表する予定である。
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