研究課題/領域番号 |
07670918
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
三宅 宗典 大阪医科大学, 医学部, 助手 (10268203)
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研究分担者 |
渡辺 一男 大阪医科大学, 小児科, 専攻医
玉井 浩 大阪医科大学, 小児科, 講師 (30179874)
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キーワード | 急性前骨髄性白血病 / ATRA / 分化誘導 / 白血球機能 / 薬物動態 |
研究概要 |
小児癌白血病研究グループの急性前骨髄性白血病(以下APL)プロトコールに登録された症例を対象としHPLCを用いてATRAの血中動態と臨床効果を検討した。さらにATRAの代謝産物である4-oxo retinoic acid の測定も可能となりその臨床的意義についても検討を開始した。これまでに測定の対象となったAPL症例は9例で、いずれもATRA 30mg/m^2/dayの単独投与を2週間行った。ATRAの投与により8例で反応が認められ完全寛解となった。1例のみが、無効であった。この無効例では、ATRAの血中濃度はほとんど上昇しなかった。反応のあった8例では、いずれも血中濃度の上昇が認められ投与後2〜4時間でピーク値をとり6〜8時間後にはATRAは血中から消失した。最高血中濃度は、200から1198ng/mlであった。ATRAの血中濃度が上昇しないとATRAの臨床効果が発揮されないことが示唆された。ATRAの連続投与により血中濃度のピーク値は減少することが明らかになった。臨床効果とATRAの血中動態とは、密接な関係があることが明らかとなり、定期的な血中動態のモニタリングが意義あるものと考えられた。4-oxo retinoic acidの測定は、予備実験的な段階ではあるがATRAの血中濃度が上昇しなかったATRA抵抗例では、その他の症例に比較し代謝産物である4-oxo retinoic acidが高値をとっていた。これは、ATRAに反応しないAPLの症例におけるATRAの代謝過程の解明のために意義ある結果であり今後症例を重ねて検討を加えたい。
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