研究課題/領域番号 |
07670918
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
三宅 宗典 大阪医科大学, 医学部, 助手 (10268203)
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研究分担者 |
渡辺 一男 大阪医科大学, 医学部, 専攻医
玉井 浩 大阪医科大学, 医学部, 教授 (30179874)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | 急性前骨髄性白血病 / all trans retinoic acid / 薬物動態 / 分化誘導療法 / 小児 / 小児癌白血病研究グループ |
研究概要 |
小児癌白血病研究グループの急性前骨髄性白血病(以下APL)プロトコールに今年度新たに登録された8症例を加えた17症例を対象としHPLCを用いてATRAの血中動態と臨床効果を検討した。さらにATRAの代謝産物である4-oxo retinoic acidの測定も可能となりその臨床的意義についても検討を開始した。これまでに測定の対象となったAPL症例は17例で、いずれもATRA30mg/m^2/dayの単独投与を2週間行った。ATRAの投与により15例で反応が認められ完全寛解となった。2例のみが、無効であった。この無効例では、ATRAの血中濃度はほとんど上昇しなかった。反応のあった2例では、いずれも血中濃度の上昇が認められ投与後2〜4時間でピーク値をとり6〜8時間後にはATRAは血中から消失した。最高血中濃度は、200から1198ng/mlであった。ATRAの血中濃度が上昇しないとATRAの臨床効果が発揮されないことが示唆された。ATRAの連続投与により血中濃度のピーク値は減少することが明らかになった。臨床効果とATRAの血中動態とは、密接な関係があることが明らかとなり、定期的な血中動態のモニタリングが意義あるものと考えられた。4-oxo retinoic acidの測定は、予備実験的な段階ではあるがATRAの血中濃度が上昇しなかったATRA抵抗例では、その他の症例に比較し代謝産物である4-oxo retinoic acidが高値をとっていた。小児癌白血病研究グループの小児APLプロトコールにおけるATRAの間歇的投与は、臨床的にも長期生存が得られ薬剤耐性防止に有効と考えられた。解析を行った17例でのAPLプロトコールの寛解導入率は88%、4年の無病生存率(EFS)は67%であった。今後、ATRAの代謝機構とAPLの再発との間の関連性について解明していきたい。
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