研究課題/領域番号 |
07670922
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
吉田 一郎 久留米大学, 医学部, 助教授 (20182751)
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研究分担者 |
荒牧 修一 久留米大学, 医学部, 講師 (30211014)
猪口 隆洋 久留米大学, 医学部, 講師 (00191891)
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キーワード | 珪酸カラム液体分配クロマトグラフィー / リバースサーチ法 |
研究概要 |
先天性有機酸血症の診断および病態研究のためには、何よりも尿中有機酸の正確な分析、測定が不可欠である。我が国で従来、施行されてきた有機溶媒抽出法は極性の強い有機酸の抽出には不敵で、しばしば診断の見逃しなど重大な欠陥を有することがあきらかになっている。たとえばプロピオン酸血症におけるメチルクエン酸の見落としは診断および出生前診断上で、致命的診断ミスを与えることになる。このことに関連して、我々は有機溶媒抽出で見逃されたプロピオン酸血症が、珪酸カラム液体分配クロマトグラフイ-ではきちんと診断できることを確認した。一方、先天性代謝異常症への認識の向上にともない、我々の施設における分析検体数は、年々増加しつつあり、従来のマニュアル分析では次第に対応できなくなりつつある。これらの問題を解決するため、我々が従来用いて来た珪酸カラム液体分配クロマトグラフィーによる尿中有機酸の抽出に、リバースサーチ法を組み合わせることにより、より正確な有機酸の分析および所要時間の短縮化が可能となるので本研究を実施した。 本年度は正常人コントロールの尿中有機酸につき、どのような種類の有機酸がどの程度排泄されているかを検討するためコントロール尿を収集し、従来の有機溶媒抽出法で抽出した後、我々の開発したリバースサーチ法でどの程度の有機酸および関連物質が捉えられるかを検討した。 その結果、正常コントロール尿で役30種類の有機酸を含む代謝物質を同定、分析することができた。また、リバースサーチ法は自動的に代謝産物を分析同定するので人為的なミスがなく、また有機酸血症の診断上、信頼できる分析システムであることを確認した。
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