研究概要 |
1.ヒト尋常性天疱瘡抗原(Dsg3)遺伝子 ヒトケラチノサイド由来mRNAをテンプレートとし,ランダムヘキサマーDNAをプライマーとして,逆転写酵素によりケラチノサイトcDNAを作成。さらにこれをテンプレートとし,既に報告されているヒトDsg3cDNAの塩基配列を基に,PCR法(RT-PCR)にて5′末端付近の約400bpのヒトDsg3cDNA断片を作成。これをプローブとして,ヒトゲノムDNAライブラリーをスクリーニングし,5つの異なるクローンを得た。これらのクローンDNAを複数の制限酵素で切断し,アガロース電気泳動した後,5′端の塩基配列を含むオリゴDNAとのサザーンハイブリダイゼーションにて最も5側の配列を含むクローンを同定,自動DNA塩基配列決定装置を用いてこのクローンの塩基配列約5kbを決定した。この塩基配列をcDNAの塩基配列と比較することにより,エクソン・イントロン構造を決定。最後に第1エクソン上流の塩基配列を基に作成したオリゴDNAをプライマーに用いてプライマー伸長法により転写開始部位を同定した。 2.マウスDsg3遺伝子 ヒトDsg3cDNA塩基配列の5′端付近で,カドヘリン遺伝子群との間で相同性の高い領域を検討し,その領域の配列からなるオリゴDNAを作成。このオリゴDNAを用い,ヒトの場合と同様,RT-PCR法にて5′端近傍約300bpのcDNA断片を得た。これをプローブとしてマウスcDNA及びゲノムDNAライブラリーをスクリーニングし,マウスDsg3cDNA及びゲノムDNAクローンを単離,これらDNAの塩基配列を決定した。 3.ヒト落葉状天疱瘡抗原(Dsg1)遺伝子 ヒトDsg3遺伝子の場合と同様の手法にてヒトDsg1cDNAプローブを作成。これを用いてヒトゲノムライブラリーをスクリーニングし,複数のDsg1DNAクローンを得た。
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