研究概要 |
当該研究期間の実績の概要は下記の通りである 1)人工表皮水疱作製器を用いて、正常成人10名とループスエリテマトーデス(LE)患者6名より無血清培地による表皮細胞の培養に成功した。 2)中波長紫外線(UVB)による培養表皮細胞への毒性を検討したところ,50mJ/cm^2, 100mJ/cm^2で、有意に高い毒性がLE患者でみとめられた。 3) UVBによる培養表皮細胞の易感受性を検討した。LE患者培養表皮細胞では正常人に比べてU_1RNPやSS-A/Ro抗原の発現が有意に高く、in vitroでの易感受性が確認された。 4)共焦点レーザー顕微鏡で細胞表面あるいは細胞質へのU_1RNPやSS-A/Ro抗原の発現が確認された。 5)アポトーシス誘導は、正常人とLEでは差がみられなかった。 6)UVBによる表皮細胞毒性や易感受性は、サンスクリーン剤により制御できた。 7)サイトカインの影響をみたところETAFが易感受性を増強した。 以上より、in vitroの系でUVBによる易感受性を検出する方法を樹立した。この系を用いることにより表皮細胞のUVB易感受性ひいては光線過敏性や発癌との関係を研究することが可能となった。
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