研究概要 |
材料:悪性黒色腫細胞株:MM8.1,MM28,MM33.1,Bowes,WM9,A375-2細胞株. 方法:1.悪性黒色腫細胞株のp53,CDIの欠損をPCR,PCR-SSCP法にて検索した.2.悪性黒色腫細胞株のINFβ,IL-1による増殖抑制効果を検討した.3.PCRのプライマーとしてはP16,P15,P18,P21,P27,P53を用いた.4.PCR法はPerkin ELMER社のDNA Thermal Cyclerを,PCR-SSCP法はPhastSystem(Pharmacia LKB)を用いた.5.RT-PCR法,10^5cells/mlに調整したメラノーマ細胞株をINFβ添加後1時間および24時間培養,QuickPrepMicro mRNA Purification Kitを用いmRNAを抽出し,First-Strand cDNA Synthesis Kitを用いcDNAを合成した.希釈系列を作成し,各プライマー(G3PDH,p53,p27,p21,p16,IRF-1,IRF-2)を用い,至適条件でPCRを行った.6.apoptosisの検出,In situ Apoptosis Detection Kit(TaKaRa)を用いてTUNEL法で検出した. 結果:1.A375-2細胞株でp16,p15に欠損が見られたが,p21,p27,p53には欠損は見られなかった.2.IFNβでは,すべての細胞株に増殖抑制効果が見られたが,IL-1ではp15,p16欠損株であるA375-2のみに増殖抑制効果が見られた. 3.rIFNβ添加1時間後および24時間後の培養細胞RNA中にp21,IRF-1の増加は見られた。p16,p53,IRF-2のmRNAの増減は見られなかった. 4.rIFNβ添加24時間後のメラノーマ細胞株(MM28)にはアポトーシスが見られた. 結論:IFNβ悪性黒色腫細胞株に対する増殖抑制効果は,IRF1を介したp21の活性化による細胞周期の進行の抑制によるものであり,この結果,培養細胞はapoptosisに陥るものと考えられた.
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