研究課題/領域番号 |
07670974
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
植木 宏明 川崎医科大学, 医学部, 教授 (30069017)
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研究分担者 |
大森 謙太郎 川崎医科大学, 医学部, 助手 (20278930)
渡邊 圭介 川崎医科大学, 医学部, 助手 (80268606)
小野 麻理子 川崎医科大学, 医学部, 助手 (70289180)
小野 雅史 川崎医科大学, 医学部, 助手 (90278929)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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キーワード | 自己免疫疾患 / カーボニック・アンヒドラーゼ / 自己抗体 |
研究概要 |
先ず、イムノブロット法を用いて還元状態のカーボニック・アンヒドラーゼ(CA)に対するリウマチ性自己免疫疾患患者(RAD)血清の反応性を検討した。結果、全ての抗CA血清がヒトCAI及びIIの両方と反応した。この両アイソザイムはアミノ酸配列の相同性が高いことから、抗原として交差していると思われた。アイソザイムIIIからVIIについては、現在市販の精製抗原がなく、バクテリアを用いたリコンビナント抗原を作成中である。続いて無作為に取り出したRAD患者血清111検体について非還元状態のヒトCAIIを用いELISA法で検討した。結果、全身性エリテマトーデスの31.6%、シェ-グレン症候群の20.8%、全身性強皮症の27.5%、皮膚筋炎及び多発筋炎の22.2%が陽性であった。この結果は先のイムノブロットの結果とほぼ一致した。抗体の存在と特定の病態、症候群との関連は現在尚検討中である。 CAI及びIIのエピトープを合成ペプチドを用いて検索した。結果、自己抗体はN端付近のαヘリックス構造及びzinc core周囲の活性部位の一次構造を認識していた。これは抗CA抗体がCA活性を阻害するとの見解に根拠を与えるものである。一方健常人の中にもCAに対する自然発生自己抗体を有する個体があるが、これらはC端を特異的に認識していた。これはRADに見られる抗体とは明らかに異なり、病的抗体の発生機序が自然発生自己抗体のそれとは別であることを裏付けた。 また臨床面から、CA欠損症類似の病態を呈したRAD患者から高活性の抗CA抗体を検出、病態への関与を推察した。
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