研究課題/領域番号 |
07670987
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研究種目 |
一般研究(C)
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
安東 醇 金沢大学, 医学部, 教授 (50019915)
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研究分担者 |
大石 茂雄 金沢大学, 医学部, 助手 (30272983)
真田 茂 金沢大学, 医学部, 助教授 (50020029)
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キーワード | ブレオマイシン / コバルトブレオマイシン / 放射性同位元素標識 / 癌の診断 / 癌の治療 |
研究概要 |
はじめに:コバルトと結合したブレオマイシン(以下Co-BLMと略す)が強い癌親和性を持つことは周知の事実である。そこで、Co-BLMの生物学的性質を変化させないような状態で、Co-BLMに放射性同位元素(以下RIと略す)を結合させて癌に集積させ、癌の診断及び治療を行うとするものである。 実験:まずBLMに塩化コバルトを作用させて、Co-BLMを製造した。次にCo-BLMにRIを結合させる方法であるが、アミノ基に放射性ヨウ素を導入する場合に使用される^<125>l-Bolton-Hunter試薬を用いて^<125>lでの標識を行った。すなわち、Co-BLMの水溶液(pH 8.0)に^<125>l-Bolton-Hunter試薬を加えて2時間撹拌し、Co-BLMを放射性ヨオウ素化して、Co-BLM-^<125>lを製した。ついでエーテルを加えて撹拌し、エーテル層を除去することで、未反応の^<125>l-Bolton-Hunter試薬を除去した。Co-BLM-^<125>lの中には幾種類かの化学形の異なる^<125>l標識物が含まれているので、これを分離することとした。そこで、上記のCo-BLM-^<125>lを、CM-セファロースカラムに添加して、ギ酸アンモニウム(pH6.5)0.05M及び1.0M溶液を溶出液として濃度勾配をつけて溶出分離した。その結果、Co-BLM-^<125>lは8種類の^<125>lに分離されたので、各々をエールリッヒ癌を皮下移植したマウスに投与して、その癌集積性を調べた。この動物実験により、Co-BLM-^<125>lの中に癌に強い集積性を持つものや、癌集積性をほとんど示さないものがあることが明らかとなった。 おわりに:Co-BLMは^<125>l-Bolton-Hunter試薬で標識できることがわかったので、この中で強い癌集積性を示すものを純粋に分離すること及びその標識物を効率よく多量に製造する方法を今後検討する予定である。
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