研究概要 |
1.血流可変ステント機構の開発 (1)両端渦巻き型形状記憶ステントを開発した.(2)血管モデル作成:テフロン製チュウブで、TIPS経皮的肝内門脈肝静脈短絡路形成術を作られた門脈圧亢進症の血行動態モデルを作成した。(4)MRにより流速と流量の計測を行った。GE社製Signa Horizon 1.5T。頭部用コイル。2D Cine Phase Contrast法。Gradient Echo法。TR/TE/FA19/7.5/30°,FOV=20cm,35mm厚,256×125mmatrix,wophase,1NEX,imaging time=6m2s。流体は水道水として定常流ポンプを用いた。TIPS想定チューブに両端渦巻き型形状記憶ステントにより移動を阻止されたバルーンを留置する前後でTIPS想定チューブ内と肝外性副血行路想定チューブ内の流速と流量を測定した。(5)TIPS想定チューブ内にバルーンを留置するとTIPS想定チューブ内の平均流速は減少し、肝外性副血行路想定チューブ内の平均流速は増加した。バルーンを留置する前後の流量は,それぞれ、逆を示した。即ち、バルーンの移動を防ぐ金属ステントとバルーンの組み合わせ機構を設定する事により血流の調節が可能であることが証明された。 2.ステント留置による内膜増殖の検討:(1)剖検により、ステント留置5.5年後成犬の組織学的検討を行った。肝静脈、腎静脈などの側枝を横切るステントの金属針は薄い線維性組織で覆われていたが側枝は開存していた。ステント針の存在する領域にコラーゲン線維の増殖がみられた。(2)臨床的に頸動脈例では、放射線照射が内膜増殖を抑制している可能性が示されたが、今後、prospectiveにも検討する必要がある。
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