研究課題/領域番号 |
07670991
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
松村 要 三重大学, 医学部・附属病院, 助教授 (70126994)
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研究分担者 |
外山 宏 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (90247643)
竹田 寛 三重大学, 医学部, 教授 (70106988)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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キーワード | 脳受容体 / ドーパミンD2 / ベンゾジアゼピン / 脳血流 / SPECT / 脳虚血 |
研究概要 |
ヒトの種々の精神、神経疾患において核医学による脳受容体濃度定量の意義は大きい。本研究では、平衡法を用いて、より簡便な受容体濃度の定量方法を開発することが目的である。I-125IBZM(ドーパミンD2リガンド)をラットにボーラス投与した時の脳内および血中動態を観察し、次にリガンド投与方法を変化させた時に予想される生体内動態をコンピュータシミュレーションにより検討した。その結果、ボーラス投与60分後に持続追加投与することにより脳受容体への結合と解離が同じ速度になる状態、すなわち、平衡相をより長く保つことができると予想された。同投与法をラットに適用し、その妥当性を証明した。この方法をヒト脳受容体の核医学検査(SPECT)に応用することにより、正確で実用的な定量が可能であると考えられる。 さらに病変脳での受容体変化の診断における本定量方法の有用性について検討した。そのための予備的検討として、ラットにて中大脳動脈閉塞脳虚血モデルを作成した。ベンゾジアゼピン受容体変化と脳血流変化の関係を24時間から4週間にわたりI-125iomazenilとIMPを用いて経時的に検討した。梗塞中心部においては閉塞1週間以後では受容体濃度低下が血流低下よりも強度であったが、梗塞辺縁部では受容体濃度の低下は血流低下よりも軽度であった。この病理学的検討では、受容体濃度変化が脳血流変化よりも脳神経細胞損傷の程度をより正確に反映することを示し、受容体濃度定量の臨床的意義を示唆した。
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