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1996 年度 実績報告書

心筋SPECTブルズアイ表示における罹患冠動脈枝の自動診断法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 07670999
研究機関大阪大学

研究代表者

植原 敏勇  大阪大学, 医学部附属病院, 講師 (80243202)

研究分担者 奥 直彦  大阪大学, 医学部附属病院, 医員
橋川 一雄  大阪大学, 医学部附属病院, 助手 (70281128)
楠岡 英雄  大阪大学, 医学部, 助教授 (00112011)
西村 恒彦  大阪大学, 医学部, 教授 (70237733)
キーワード心筋SPECT / Extent,Severity Map / ニューロコンピュータ
研究概要

T1-201運動負荷/再分布心筋SPECTは冠動脈疾患の診断にきわめて有用な検査法であるが、T1-201のガンマ線のエネルギーが70keVと低くattenuationの影響を受けやすく画質が安定しないため、その視覚的読影診断にはかなりの熟練を要する。このため心筋短軸断層像を用いてcircumferential profile analysisを行い、ブルズアイ表示にて診断する方法がよく用いられている。さらにブルズアイ表示上で正常例を積算して正常パターンを作成し、これで標準化することによりExtent、Severity Mapを求めこれで客観的な診断することが試みられている。このExtent、Severity Mapは単純なパターン認識であるためニューロコンピュータを用いた診断が可能である。ただ従来のブルズアイ表示は心尖部が含まれていないため、心尖部に限局するLAD病変の診断に難点があった。そこで今回我々は多断面長軸断層像を用いて心尖部を含めたブルズアイ表示を行い、これを基に解析を行った。まず正常例の心筋SPECTブルズアイ表示を検討したところ、男性と女性ではattenuationの分布が異なるため別々の正常パターンを作成して用いた。最初にニューロンコンピュータに正常例、冠動脈1,2,3枝病変の症例のブルズアイ表示を入力しコンピュータの学習を行ったが、パターンが8通りあること、冠動脈病変とSPECT像が一致する典型的な症例は必ずしも多くないこと、から個々のパターンについて十分な症例数を学習させることが困難であった。臨床例16例において熟練医、研修医、コンピュータの各々の診断結果を比較したところ、コンピュータ診断は正診率81%で研究医(正診率62%)よりは優れた診断精度を達成できたが、熟練医(正診率88%)のレベルには到達しなかった。以上より熟練医のいない施設では十分診断支援システムとしてニューロコンピュータが使用できるものと考えられた。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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