研究課題/領域番号 |
07671005
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
廣川 裕 広島大学, 医学部, 助教授 (40116653)
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研究分担者 |
赤木 由紀夫 広島大学, 医学部附属病院, 助手 (40222509)
田中 信治 広島大学, 医学部附属病院, 助手 (00260670)
平井 敏弘 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助教授 (60165149)
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キーワード | 食道癌 / 表在癌 / 放射線治療 / 腔内照射法 / 線量計算 / 最適化計算 / 治療成績 / 合併症 |
研究概要 |
食道表在癌と診断されてIr-192RALSを用いた高線量率食道腔内照射を受けた症例において、局所再発と粘膜潰瘍発症について解析し、安全かつ有効な線量配分プロトコールを確立することを目的として、臨床的検討を行った。 1994-96年に高線量率食道腔内照射を受けた食道表在癌35例を対象として、局所制御率および粘膜潰瘍制御率を算出し検定した。35例中6例に局所再発、7例に粘膜潰瘍発症が認められ、2年局所制御率は81%、3年潰瘍発症率は26%であった。局所再発に関する解析では食道粘膜面の総線量BED10≧99Gyのみが、粘膜潰瘍発症に関する解析では食道粘膜面の総線量BED3≦142Gy、および腔内照射の分割回数が有意な因子であった。局所制御例および粘膜潰瘍発生例の検討によりBED10≧99Gy、BED3≦142Gyである条件が求められた。外部照射60Gy後の腔内照射の1回粘膜線量(d)と分割回数(n)の関係は、n≧3.5、d≦4.7、nd≦16.3であった。すなわち外部照射60Gy後では腔内照射は4回以上の分割が必要であり、1回粘膜線量は4、5分割では、それぞれ4.07Gy、3.25Gyが至適線量であることが示唆された。
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