研究課題/領域番号 |
07671006
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
松永 尚文 山口大学, 医学部, 教授 (40157334)
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研究分担者 |
伊東 克能 山口大学, 医学部, 助手 (00274168)
本城 和光 山口大学, 医学部・附属病院, 助手 (70229251)
松本 常男 山口大学, 医学部, 助教授 (70116755)
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キーワード | 大動脈解離 / MRI |
研究概要 |
1)解離腔の描出能;spin-echo(SE)画像では真腔・解離腔ともに速い血流が流れている場合は両腔とも低〜無信号を呈した。解離腔内には通常、遅延血流のため信号の増強効果(flow-related enhancement)がみられ、逆に真腔は速い血流のため無信号となることが多った。2)解離腔内血腫と遅延血流との区別;解離腔内の遅延血流と血腫とは同様の信号の増強を呈するため、両者の鑑別に苦慮することが多ったが、シネMRIを追加すると、一般に定常流や遅延血流は高信号に、血腫は低信号に描出され、その鑑別は容易となることが多った。3)解離の進展度判定;解離の広がりと大動脈弁や冠動脈との関係、弓部分枝との関係の評価には多方向からの撮像が有効で、特に大動脈弓部での真腔・解離腔の位置関係や交通口、弓部分枝の分岐状態、および分岐状態、および分枝自身の解離の評価ではMRIは血管造影やX線CTなど既存のどの検査法よりも有力であった。4)intimal tearの把握;シネMRIでは、解離の流入口を介し収縮期に真腔から解離腔へ向う血流が解離腔内に低信号(signal void)として観察された。解離腔内の遅延血流による高信号の一部にsignal voidがみられ、交通口を介する血流は、心周期でto-and-froを呈していることがわかった。このようにシネMRIの追加することにより大動脈解離の血行動態の動的観察が可能となった。5)解離腔非開存型解離の評価;SE法にて大動脈辺縁に上下に連続する円周状、あるいは三日月状の比較的信号強度の高い部分として認められた。これはX線CTで認められる血腫で閉鎖した解離腔とほぼ一致した。本来の大動脈内腔はほとんど狭小化せず、無〜低信号として描出された。MRIでは石灰化の偏位を観察できないため、壁在血栓と解離腔内血腫との区別が困難であるが、解離腔非開存型解離では単期間に中膜内の血腫が吸収されるため、follow-up MRIにて壁在血栓との区別が可能となった。
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