| 研究課題/領域番号 |
07671007
|
|---|
| 研究種目 |
一般研究(C)
|
| 研究機関 | 徳島大学 |
|---|
研究代表者 |
吉田 秀策 徳島大学, 医学部, 助教授 (20136261)
|
|---|
| 研究分担者 |
佐野 暢哉 徳島大学, 医学部, 助教授 (90196303)
向所 敏文 徳島大学, 医学部・附属病院, 助手 (90190842)
松崎 健司 徳島大学, 医学部, 助手 (70274222)
|
|---|
| キーワード | 肝細胞癌 / 核磁気共鳴画像(MRI) / 病理組織等 / 早期・境界病変 / 鉄沈着 / 銅沈着 / 細胞密度 |
|---|
| 研究概要 |
早期肝細胞癌〜境界病変の特徴であるT1強調画像における高信号パターンの成因について組織学的ファクター解析により、従来より提唱されていた脂肪変性の関与については脂肪抑制シークエンスの併用により確認されたが、約2/3の病変については他のファクターの関与が示唆された。以前より論議の的となっていた腫瘍組織内への銅沈着の関与については、沈着の程度及び分布形態の詳細な対比検討により否定された。また、腫瘍内への微細な鉄沈着によるT1強調画像における高信号パターンへの関与の可能性について初めて示唆し、通常のスピンエコー系列に加えて短時間で追加可能なグラディエントエコー系列の撮像により早期〜境界病変の描出能の向上が期待される事を提唱し得た。一方で腫瘍細胞の淡明化等の細胞的ファクターとの有意な相関は指摘し得ず、細胞密度の上昇等の構造的ファクターの関与が予想された。また、T2強調画像にて低信号を呈する一因として細胞異型に乏しく細胞密度の上昇を伴う病変は、周囲肝実質に比して信号上昇の原因となる炎症性変化や門脈域等の血管成分に乏しく、相対的に信号低下をきたす事が示唆された。当初の研究目的である早期肝細胞癌〜境界病変のMRIにおける特徴的な信号パターンの成因について完全な究明には至っていないが、上述した幾つかのファクターの関与の有無については解明し得た。更に、簡便な撮像シークエンスの追加により描出能向上に寄与し得る可能性が示唆された。問題点としては、病理組織像の画像解析による検討は定性的な側面が強く、特に微量金属の影響の検討には吸光分析等による定量的な解析との比較検討が望ましいと考えられた。
|
