研究概要 |
研究目的: 試作表面コイルを用いてMRIによる皮膚・皮下組織小病変の診断能を検討する. 研究経過: 6cm径のコイルを試作し,1.5テスラのMRI装置Signa・Advantageに装着して使用した.FOV8cm,スライス厚3mm,256マトリックスで正常ボランティア8名の足底部を撮像したところ,皮膚,皮下組織の良好な画像が得られた.皮膚の内部構造については、表皮と真皮との区別はつくものの,表皮内の層構造は抽出できなかった.また,少数ではあるが臨床例については正規のコイルのうち最少のもの(約8cm径)を用いて撮像を行い,実験例との画像の対比を行った.表面コイルの口径が小さくても,MRI装置で設定可能なFOVが大きければ,小病変の抽出は困難と考えられるので,平成8年度に導入された.もっと小さなFOV設定の可能なMRI装置Signa・Horizonによる撮像も加え,比較検討した.ただ,当初の予定である6cm未満の小口径コイルの試作が遅れているので近い将来作製したい.また,臨床例が少ないため,実際の病変についての評価があまり行えていない.なお,平成8年度途中までの研究成果については,「インナービジョン11・8:38,1996」誌に掲載した. 今後の予定 新しいMRI装置Signa・Horizonにこの試作コイルを装着して撮像を継続し,正常ボランティアについては足底部の他,手指部その他の部位についても撮像し検討を加えたい.また,同意を得られた患者に試作コイルによる撮像を行い,腸瘍病変あるいは炎症性病変についての抽出能を検討したい.
|