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1995 年度 実績報告書

癌遺伝子導入による温熱療法抵抗性癌の解析

研究課題

研究課題/領域番号 07671015
研究種目

一般研究(C)

研究機関長崎大学

研究代表者

奥村 寛  長崎大学, 医学部, 教授 (00073130)

研究分担者 島崎 達也  長崎大学, 医学部, 技官
井原 誠  長崎大学, 医学部, 助手 (60175213)
岡市 協生  長崎大学, 医学部, 助教授 (80124874)
キーワード癌遺伝子 / 熱感受性 / NIH3T3細胞
研究概要

癌温熱療法(ハイパーサーミア)は放射線治療を補うものとして新しく導入された。しかし、熱感受性は細胞の種類によって平均致死量で10倍の違いがあるため、すべての癌に温熱療法が適用できるとは限らない。細胞の癌化は癌遺伝子の発現によって起こることから、正常細胞に各種の癌遺伝子を導入し、それらの細胞の熱感受性を調べることにより、熱感受性を支配する癌遺伝子を調べた。このことは、癌化細胞の発現癌遺伝子を、温熱療法を行う前に調べることにより、治療の予後を予測できることになり、各々の癌症例について効果的な治療法を選ぶことができることになる。
この研究では、正常細胞としてマウス培養細胞(NIH3T3)を用い、次の癌遺伝子を導入し、癌化させた。すなわち、myc、Ki-ras、N-ras、H-ras、int-2、fgr、sis、srcである。癌遺伝子の導入はサザンブロッティング法で確認し、癌化はanchorage independency及びヌードマウスへの移植による腫瘍形成能によって確認した。癌遺伝子を導入したヌードマウスに腫瘍を形成した。
44℃温熱処理による各遺伝子を導入した細胞の熱感受性を調べた。Ki-ras遺伝子導入した細胞は統計的に有意に温熱処理に対して抵抗性を示した。このことはKi-ras遺伝子の発現によって癌化した腫瘍は温熱に対して抵抗性を示すことになり、癌治療の前に、もしその癌がKi-ras遺伝子の発現によるものであれば、少なくとも温熱療法は避けるべきであると結論できる。
今後、さらに癌遺伝子と熱耐性との関係を調べる必要がある。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] T.Matsuo: "Inhibition of epidermal growth factor binding system by ionizing radiation in A431 human squamous carcinoma cells," Cancer Letters. 89. 153-159 (1995)

  • [文献書誌] H.Kondo: "Statistical associations between radiation exposure and the clinical examination data of Japanese radiology technicalans." J.Epidemiol. 5(2). 51-57 (1995)

  • [文献書誌] K.Komatsu: "The scid factor on human chromosome 8 restores V(D)J recombination in addition to double-strand break repair" Cancer Res.55. 1774-1779 (1995)

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公開日: 1997-02-26   更新日: 2016-04-21  

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