研究概要 |
〔目的〕RF容量結合型加温方式では、体表面においてアプリケータの電極端や密着不良によるホットスポットが生じやすい.頭頚部領域は体表面が複雑で,アプリケータを固定しにくく,ホットスポットを生ぜずに充分な深部加温をするのは難しい.そこでわれわれは,ファントム表面を部分的に遮蔽することで選択的深部加温が可能かどうか温度分布を計測したが,遮蔽により有効な電極径も減少した状態となり,その分だけ浅部しか加温されない結果となった.つぎに,アプリケータが複雑な構造の頚部に密着するようなOverlay Bolus(以下 Bolus)を試作しファントム表面及び、内部の温度分布を計測したが,Bolusを使用すれば,電極端のホットスポットは減少したが、電極間の距離が大きくなるため,同一径のアプリケータでは浅部しか加温されない結果となった.そこでedge効果の軽減をねらって電極板をU字型に屈曲させ,ビニール製のwater padを付けてU-型アプリケータ(以下U-型)を試作し.加温状況をFlat型(従来型)と比較した.[方法]U型は15cm径厚さ1mmの電極板を電極の両端で約3cm程持ち上がるようなめらかに曲げて制作した.ファントムはJSHOのQA委員会による筋肉等価寒天ファントムを使用,U型とFlat型にて加温を行い加温状況を比較した.計測は三菱社製サーマルイメージャIR-M300,及び熱電対温度計にて行った.[結果]加温後の温度分布は,Flat型では高温域が中心部より偏位し瓢箪型の分布を呈したが,U型では高温域が中心部に集まった,[まとめ]U型では電極端でのQAファントムまでの距離が遠くなりエッジ効果が減少し,また電極の最短距離がFlat型に比較して近くなるため高温域を中心部に集めることができたと考えられた.尚,U型は頚部に密着しやすく,臨床応用でも良好な加温結果が得られた.
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