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1997 年度 実績報告書

肺塞栓症における肺胞上皮障害と気道攣縮の病態生理に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 07671028
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

森 豊  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30166376)

研究分担者 内山 眞幸  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (20203557)
川上 憲司  東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (10056814)
キーワード肺塞栓症 / 肺胞上皮透過性 / ^<99m>Tc-DTPA Clearance / 気管支攣縮 / 核医学検査 / 肺胞上皮障害
研究概要

肺塞栓症における肺胞上皮障害と気道攣縮の病態生理についての研究を行った。動物の肺塞栓症モデルと同意を得た肺塞栓症例を対象とした。肺胞の障害の評価は、肺胞上皮透過性を^<99m>Tc-DTPAエアロソ-ルクリアランスを測定することにより行った。肺塞栓症モデルは、バルーンにより肺動脈を閉塞する方法と、一時的に閉塞した静脈にトロンビンを注入し形成した血栓を経静脈的に肺動脈へ散布する方法で作成した。気管の攣縮の有無は、^<99m>Tc-DTPAエアロソ-ルの分布をγ-カメラで観察することにより判定した。
肺塞栓症モデルおよび急性肺塞栓症例では、^<99m>Tc-DTPAエアロソ-ルクリアランスは、著しく変化した。気管攣縮と思われる^<99m>Tc-DTPAエアロソ-ルの分布の欠損像は、肺塞栓症モデルの8%に認められた。肺動脈の閉塞、肺塞栓症では気道攣縮が生じる可能性が示唆された。肺塞栓部分と肺塞栓近傍での^<99m>Tc-DTPAエアロソ-ルクリアランスは、正常コントロールに比べ有意に亢進していることが再確認された。臨床例の急性肺塞栓症例でも^<99m>Tc-DTPAエアロソ-ルクリアランスは亢進を認め、慢性期肺塞栓症よりクリアランスは早かった。抗凝固剤であるヘパリン投与により、肺塞栓症モデルにおける^<99m>Tc-DTPAエアロソ-ルクリアランスの低下は軽度認められたが、有意な変化は認められなかった。
肺塞栓症モデル、急性肺塞栓症例共に^<99m>Tc-DTPAエアロソ-ルクリアランスは亢進を認めた。肺動脈の閉塞により、気道の攣縮が生じる可能性が示唆された。^<99m>Tc-DTPAエアロソ-ル像を判読する際に、この所見は充分考慮する必要があると考えられた。^<99m>Tc-DTPAエアロソ-ルクリアランス法により急性肺塞栓症と慢性肺塞栓症の鑑別の可能性が示唆され、今後更に検討が必要と考えられた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 菊池 悟,他: "肺塞栓症における^<99m>Tc-DTPA aerosol clearance法による肺胞上皮透過性の検討" 日本臨床生理学会誌. 26. 96 (1996)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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