腫瘍組織内における5FU誘導体の代謝中間物の存在比率を、19F-MRSを用いて経時的に定量し、ウラシルとの競合作用について解析する。予備実験としてマウスの生体内での5-FUの代謝産物の測定を試みた。FdUMPとFUTPのケミカルシフトについては5-FUから4.9PPMのshunt量が得られたが、掃引周波数を小さくフリップアンブル等のシミングに時間を要した。FdUMPとFUTPのケミカルシフトを分離するためには、より高磁場(4.7T以上)MRS装置が必要である。 HCFU、5-DFURと5-FUの定量のための検量線は、各薬剤を生理食塩水に溶解し、mol数を1.0M、0.5M、0.1Mを設定し、MRSのピークの測定値で検量線を作成できるが、マウスの生体内代謝産物が微量のため、精製分離は不可能であった。マウスに移植した腫瘍内DNAとRNAに結合したフッ素のシフト量で、FdUMPとFUTPを計測したが信号が弱く、1時間のDate収集時間でも分離は困難であった。 MRSによる測定は全て、日本シェーリング社の高磁場MRSに依存しているので、マシンタイムが週1回4時間と少なく、実験も現在進行中である。
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