研究課題/領域番号 |
07671038
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
早淵 尚文 久留米大学, 医学部, 教授 (20108731)
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研究分担者 |
亀山 忠光 久留米大学, 医学部, 教授 (00080937)
平野 実 久留米大学, 医学部, 学長 (60080868)
淡河 悦代 久留米大学, 医学部, 助手 (20204729)
田淵 絵美 久留米大学, 医学部, 助手 (30197553)
城 誠也 久留米大学, 医学部, 助手 (30196662)
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キーワード | 悪性リンパ腫 / 放射線治療 / 唾液腺障害 / 味覚障害 |
研究概要 |
悪性リンパ腫を含め、頭頚部腫瘍で放射線治療を行った53名に対し唾液腺障害と味覚障害についてアンケートによる自覚的障害の程度を調査した。さらに、このうち40名に対し唾液分泌量の測定とテ-ストディスクによる味覚障害の程度を検討し客観的な評価を試み、治療後の期間による改善度や自覚的障害の程度との関連を検討した。53名の内訳は悪性リンパ腫8例の他に中咽頭癌、上咽頭癌、下咽頭癌や口腔癌などを含む。対象を悪性リンパ腫のみにしなかったのは、症例が十分集まらず当該年度内に十分な成果をあげられないないことを恐れたためである。唾液の自覚障害は食事の摂取の仕方(流動物、お粥、普通食など)、会話(しゃべりずらさ)、睡眠(口内乾燥のための睡眠障害)のいずれをとっても放射線治療後6カ月目が最低で、その後経過が長くなるほど軽快傾向にあった。唾液の量の測定は5分間綿球を口腔底に留置してその量を測定した。唾液の量も放射線治療後6カ月が最低で2年経過するとかなり改善しており、自覚障害と相関していることがわかった。一方、味覚の自覚的な障害は放射線治療直後が最も悪く、その後時間の経過とともにかなり改善していることがわかった。テ-ストディスクを使った客観的評価でも甘味、塩辛味、酸味、苦味、いずれも放射線治療後の時間の経過とともに改善していることがわかった。また、味覚障害も自覚障害と客観的な評価には有意の相関がみられた。 一方、放射線治療による唾液腺障害軽減のための外科的なアプローチは耳下腺を移動させる際に顔面神経を傷つける恐れがあるためなかなかすすんでいない。
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